管理栄養士が幸福度を踏まえて食事療法について考えてみた

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ゆうです。

管理栄養士としてかなり亜種であり、大学で勉強した王道とは異なる発想だと思うのですが、栄養指導などで行われている食事療法は現実的ではないと考えています。

食習慣は簡単に変えられない

当たり前ですが、食習慣はあなたの歴史といっても過言でないくらい、日常と結びついています。

無意識レベルである習慣や嗜好は、簡単に変えられるはずがないですよね。

昔から慣れ親しんでいる趣味や好みを変えられるでしょうか。

私は漫画や旅行が趣味です。漫画や旅行を周りにもっと他にいい趣味があるよといわれても止められない自信があります。

食べ物の場合でいうと、納豆や鶏もも肉が好物でかなり偏って食べてしまうのですが、この習慣もやめられないんです。

偏って食べることはよくないと分かってはいるんです。

ただ、習慣や嗜好には勝てない。

ついつい納豆や鶏もも肉を食べてしまうんです。

私のような感覚の人は少なくないと思っています。

管理栄養士でどんなに知識があっても、習慣や嗜好には勝てません。

頭で分かってはいるんだけど。。。というやつです。

食事療法は患者さんの「分かってはいるんだけど」という気持ちを汲んでない。

例えば、塩分制限の食事療法で、1日の塩分摂取量を6㌘未満にしましょうと指導するといます。

すると、味噌汁を1日1回にしましょう、漬物の食べる頻度を減らしましょう、お酢やハーブ、香辛料を使いましょうとアドバイスをするんですね。

確かに、食事療法の指導のベースは必要だと私も思います。

ただ、指導のベースの上に「個人の嗜好」を踏まえていないのが問題だと感じています。

人によって「毎日味噌汁は飲みたい!」「漬物は欠かせない」「お酢は苦手」など人によって食べ物に対する幸福度は違うんです。

私は漬物を食べてもあまり幸福度は高くならないので、漬物を食べないことで塩分を控えています。

その代わり、味噌は大好きなので味噌汁はあまり飲まないですが、味噌漬けの鶏もも肉はよく食べています。

また、私はお酢が好きなのですが、妻はお酢が苦手なので調味料としてあまり使われません。

分かってはいるんだけど、幸福度が高くなる味噌は食べてしまうし、妻が苦手なお酢は調味料としてあまり採用されない。

管理栄養士の家庭で完璧に食事療法を実践できている人もいると思いますが、私の家庭では食事療法を完全に実践できていないのが現状です。

管理栄養士だからといって完璧ではないものの、私の幸福度に照らし合わせて食事療法を実践しているのが実情なんです。

分かってはいるんだけど、止められない

あなたの嗜好が考慮されていない食事療法をいわれても、あまり心に響かないですよね。

分かってはいるんだけど、止められない。

この感情をくみ取れる管理栄養士は非常に貴重だと思っています。

杓子定規の食事療法ではなく、どうすれば患者さんが行動に移してくれるのか。

患者さんに寄り添える管理栄養士は、もっと脚光を浴びてほしいと思っていますし、応援したい。

幸福度を踏まえた食事指導の必要性

現場で働いていない立場なので、勝手なことをいっていると思ってくださいませ。

毎日、たくさんの患者さんに食事指導している管理栄養士は多忙を極めていることは理解しています。

食事療法のベースとなる知識を患者さんに知ってもらうことは非常に大切で、そのベースがなければ判断することすらできません。

なので、食事療法のベースを否定しているわけではなく、その上で患者さんの食行動を変えてもらうという目的を達成するためには、食品に対する「幸福度」をしっかりと踏まえて指導が必要だと感じています。

パーソナルトレーナーのように個人に対して管理栄養士がアドバイスをする仕組みになれば、病気の予防や悪化を防ぐことができるのではないか。

長期的な観点では、国の医療費削減までできるのではないかと妄想しています。

最後に

管理栄養士として体調を崩して現場で働けなくなり、現在はライターとして外から見ている立場です。

現場で働いている管理栄養士を心から尊敬しています。

少しでも現場で働いている管理栄養士の力になれたらと思っております。

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